『SILENT HILL f』に関わる開発秘話 #2、美しさと不安の狭間に潜む恐怖の本質

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10月10日(金)、株式会社コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)は YouTube 公式チャネルにて『SILENT HILL f』のビハインドザシーン(開発秘話)#2『Embodying Horror』を公開しました。

本作は、「美しいがゆえに、おぞましい。」をコンセプトに、シリーズ初めて日本を舞台としています。デベロッパーのNeoBardsは、馴染みがあるこのシリーズの真髄と新規要素の間で、改めてこのゲームに有ったスピリッツを探し出し定義しなければなりません。世界観からアートデザイン、レベル構造、キャラクターの動きまで、どれも如何にプレイヤーに本当に「恐怖」を感じさせるか、という肝心なテーマをめぐっている要素です。

 

NeoBards ゲームディレクター Al Yang

 

ゲームディレクターの Al Yang 氏によると、『SILENT HILL f』は従来のシリーズ作品と違い、日本を舞台とする新規設定が、本作に斬新な文化的雰囲気や創作に挑戦をもたらしました。開発担当の弊社チームは、これまでのシリーズの核となる要素を残しながら、「SILENT HILL」独特なサイコロジカルホラー及び不気味な雰囲気を再現する事に重きを置きました。更に、ゲーム全体の雰囲気を損なわないように、「現実」と「空想」のバランスを慎重に図りました。

 

NeoBards シニアレベルデザイナー Kaiyu Chang

 

レベルデザイナー担当の Kaiyu Chang 氏によれば、ゲーム背景は単なるデザインだけではなく、ストーリーテリングの重要な媒介でもあるとのことです。レベルの構造や進め方は全て主人公の迷い、圧迫感や恐怖心といったその当時の心理状態に合わせて入念にデザインしています。空間構造、光の明暗のリズムや探索の動線などを工夫することで、プレイヤーが知らず知らずの間に感情のままに流され、徐々に『SILENT HILL f』ならではの圧迫した雰囲気に浸かるようになります。

 

NeoBards アートディレクター Box Shih

 

アートディレクターの Box Shih 氏によると、『SILENT HILL f』では和風のビジュアルとサイコロジカルホラーを融合させています。精巧な仮面、無限に続く廊下や鳥居などの要素を通して神秘的かつ圧迫した雰囲気を醸し出し、プレイヤーに不安と孤独感を感じさせます。本作にもシリーズの象徴的な要素の「霧」を取り入れています。霧は視界を遮り、迷走感や孤立感を生み出し、恐怖をより一層掻き立てます。バケモノのデザインは、シリーズの伝統を踏襲し、キャラクターの潜在意識に潜む圧力、罪惡感やトラウマなどを具現化した存在として捉えます。Box 氏は『SILENT HILL f』の核となるコンセプトは「美しいがゆえに、おぞましい。」にあるが故、目指す恐怖感は、突如な驚かしではなく、美しさと危険の脆く不安定なバランスを保ちながら、プレイヤーの心の奥底に潜んだ、言葉にできない感情的な共鳴を呼び起こすような、病的な優雅さなのです。

 

NeoBards コンセプトアーティスト Ant Hsu

 

コンセプトアート担当の Ant Hsu 氏は、背景の構築にあたって「学校」をメインステージの一つとして選んだ、と開発過程を振り返りながら言いました。馴染みがあるも抑圧された記憶の場所が、最もプレイヤーの共鳴を引き起こすとのことです。当時の雰囲気を再現するために、複数の廃校をリファレンスとして選定し、当時の校舎の構造や配置の詳細などを調査した上で、ゲーム背景に取り入れました。壁のポスター、生徒の絵画や廊下の古びた集合記念写真などには、世界観や主人公が取り巻く人間関係の手掛かりが隠されています。プレイヤーが学校の細部を探索していくと、徐々に戎ヶ丘の秘密が明らかになってきます。

 

NeoBards アソシエイトデザインディレクター Capra Shih

 

キャラクターのアクションデザインは、ゲームプレイのキーポイントとなります。主人公の雛子は一般人だからその動きは素人らしいリアリティでなければなりません。このリアリティさが、プレイヤーに彼女の恐怖や葛藤をより一層感じさせることになります。アソシエイトデザインディレクターの Capra Shih 氏曰く、雛子は著名作家の竜騎士07先生がキャラクター設定を手掛けた役で、男の子と遊ぶのが好きだったり、陸上部に参加していたため身体能力に自信がありました。反射神経が素早い一方で、戦いでは不慣れで不器用な部分も多く表れます。こうした設定は雛子のアクション設計の核となっています。プレイヤーは雛子の細かい動きで彼女の緊張や不安を感じ取ることができ、更には彼女により切実に共感することでしょう。

 

『SILENT HILL f』は PlayStation 5、XBOX X|S 、Steam 、Epic Games、Microsoft Store (Windows) 、GOG などのプラットフォームにて好評発売中

 

©Konami Digital Entertainment

 

 

 

会社紹介

NeoBards Entertainment (ネオバーズ)は、2017年に創立し、東西各国から集結した20年以上の業界経歴を持つ先駆者たちが築き上げたゲームメーカーです。本社をアジアの香港に置き、また、台北と蘇州に開発制作の拠点を設けております。当社がカプコン社と共同制作したタイトルには、『デッドライジング デラックス リマスター』、『ロックマンエグゼ™ アドバンスドコレクション』、『バイオハザード Re:バース』、『バイオハザード: レジスタンス』などがあります。コーエー公認でネクソンからリリースされたモバイルゲーム『真・三國無双 M』の開発以外に、スクウェア・エニックスの『Marvel’s Avengers』や『ファイナルファンタジー VII リバース』の開発・制作にも参加しました。現時点、いくつかのタイトルを開発中ですが、後続情報をお待ちください。

当社は、国際的なリソースの統合に長け、シリーズIPに限らずオリジナルタイトルも高品質でプレミアゲームを提供することを自負しています。当社のスタッフは、開発に全力を尽くし、創造プロセスの苦楽を共に噛みしめています。ネオバーズは、クリエイティブへの愛、ストーリーテリングへの情熱、そして努力と高品質へのこだわりが常に成功へ導くという確固たる信念の下に集まったチームです。