『SILENT HILL f』に関わる開発秘話が公開!コナミデジタルエンタテインメントとNeoBardsが提携して新たなサイコロジカルホラーを醸し出すデザインコンセプト
霧がまた立ち込み始める中、『SILENT HILL f』は 9 月 25 日に正式に発売し、シリーズの新章が始まりました。ゲーム制作の過程やその裏に秘めた物語をもっと深く知りたくありませんか? 3つの開発秘話映像で制作チームのクリエイティブの世界へと旅立ちましょう。世界観の構築から、サイコロジカルホラーの具現化、更にはバトルやキャラクターデザインの細部まで、本作の裏に秘めた発想の過程や誕生の軌跡を紐解いていきます。それぞれの動画や関連紹介については、下記いずれのタイトルをクリックすればアクセスできます。
- 『SILENT HILL f』のビハインドザシーン#1『Designing the world of SILENT HILL f』
- 『SILENT HILL f』のビハインドザシーン#2『Embodying Horror』
- 『SILENT HILL f』のビハインドザシーン#3『Combat and Character Design』
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『SILENT HILL f』のビハインドザシーン#1『Designing the world of SILENT HILL f』
6月12日(木)、「KONAMI PRESS START」にて、株式会社コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)はビハインドザシーン(開発秘話)「DESIGNING THE WORLD OF SILENT HILL f」を公開しました。
「SILENT HILL」シリーズプロデューサーの岡本基氏、シナリオライターの竜騎士07氏、そしてNeoBardsの主要メンバーが、本作の誕生秘話、デザインコンセプト、レベルデザイン、そして物語のビジョンや創作の過程などについて語りました。
『SILENT HILL f』のコンセプトは、KONAMIの「SILENT HILL」シリーズプロデューサー、岡本基氏から生まれました。
岡本氏は番組の中で、シリーズが展開を進めていく中、全般を通して和風ホラーの要素が薄れつつあることに着目し、日本のホラーの真髄を捉えた「SILENT HILL」タイトルを構想しました。
岡本氏は、この和風ビジョンを最も体現できるのは日本、あるいはアジアの開発チームだと考え、最終的にすでに数多くの大手ゲーム会社と協働経験及び実績豊富なゲームデベロッパー、NeoBardsを選びました

コナミデジタルエンタテインメント 「SILENT HILL」シリーズプロデューサー – 岡本基氏
NeoBards側のプロデューサー、Albert Leeは、チームメンバーの多くが20年近く共に仕事をしてきたこと、過去関わってきた作品などの実績によって岡本氏の目に留まり選ばれたこと、そしてKONAMIとのコラボレーションは意義深く、同時にやりがいのある案件でもあることを明かしました。
チーム内には「SILENT HILL」と竜騎士07氏の長年のファンも多く、当初からシリーズのサイコロジカルホラーの醍醐味を尊重しつつ、和風美学と融合させ、斬新で恐ろしい作品を生み出すことを目指しました。


NeoBards ゲームプロデューサー – Albert Lee
ゲームディレクターのAl Yang氏は、このゲームの核となるコンセプト「美しいがゆえに、おぞましい。」を中心に、「SILENT HILL」元来のサイコロジカルホラー要素を残しながら、斬新な戦闘システムを導入し、ストーリー主導の緊張感とを複雑すぎないよう両立させることに尽力しました。昭和を時代背景にすることで、馴染み深いものと馴染みのないものを融合させ、常に不安感を抱かせる作品に仕上げました。


NeoBards ゲームディレクター – Al Yang
有名なシナリオライターである竜騎士07氏が今回の作品のシナリオを担当、現代世界との鮮明な対比を際立たせ、テーマのインパクトを深めるために、時代設定を昭和に選びました。彼は、プレイヤーが迷信や薄れゆく伝統によって形作られた、忘れ去られてゆくが今の時代とも切っても切れない連続性のあるこの時代を深く体験してくれることを願っています。

シナリオライター竜騎士07氏
本作でレベルデザイン担当のKaiyu Chang氏によると、「金山町」を原型に、駄菓子屋、学校、神社といった昭和の独特の雰囲気を醸し出している設定で、より現場に近い雰囲気を強く醸し出すことに力を入れました。
「SILENT HILL」の特有な「裏世界」というコンセプトは継承しつつ、新たな解釈を加え、竜騎士07先生のシナリオの描写とうまく合わせて、ステージ的にも和風の深みを醸し出し、心理的なプレッシャーがレベルデザインを織り込みました。


NeoBards シニアレベルデザイナー Kaiyu Chang
シネマティック・ディレクターのGrey Huは、ストーリーテリングと感情的なインパクトを高めるために、映画言語と構図の巧みさを重視しました。西洋のホラー感覚から東洋のホラー感覚へと転換することで、世界中のプレイヤーが『SILENT HILL f』の世界にどっぷりと浸れるようなシネマティックな体験を創造することを目指しました。

NeoBards シニアシネマティックディレクター Grey Hu
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『SILENT HILL f』のビハインドザシーン#2『Embodying Horror』
10月10日(金)、株式会社コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)は YouTube 公式チャネルにて『SILENT HILL f』のビハインドザシーン(開発秘話)#2『Embodying Horror』を公開しました。
本作は、「美しいがゆえに、おぞましい。」をコンセプトに、シリーズ初めて日本を舞台としています。デベロッパーのNeoBardsは、馴染みがあるこのシリーズの真髄と新規要素の間で、改めてこのゲームに有ったスピリッツを探し出し定義しなければなりません。世界観からアートデザイン、レベル構造、キャラクターの動きまで、どれも如何にプレイヤーに本当に「恐怖」を感じさせるか、という肝心なテーマをめぐっている要素です。
ゲームディレクターの Al Yang 氏によると、『SILENT HILL f』は従来のシリーズ作品と違い、日本を舞台とする新規設定が、本作に斬新な文化的雰囲気や創作に挑戦をもたらしました。開発担当の弊社チームは、これまでのシリーズの核となる要素を残しながら、「SILENT HILL」独特なサイコロジカルホラー及び不気味な雰囲気を再現する事に重きを置きました。更に、ゲーム全体の雰囲気を損なわないように、「現実」と「空想」のバランスを慎重に図りました。

NeoBards ゲームディレクター Al Yang
レベルデザイナー担当の Kaiyu Chang 氏によれば、ゲーム背景は単なるデザインだけではなく、ストーリーテリングの重要な媒介でもあるとのことです。レベルの構造や進め方は全て主人公の迷い、圧迫感や恐怖心といったその当時の心理状態に合わせて入念にデザインしています。空間構造、光の明暗のリズムや探索の動線などを工夫することで、プレイヤーが知らず知らずの間に感情のままに流され、徐々に『SILENT HILL f』ならではの圧迫した雰囲気に浸かるようになります。

NeoBards シニアレベルデザイナー Kaiyu Chang
アートディレクターの Box Shih 氏によると、『SILENT HILL f』では和風のビジュアルとサイコロジカルホラーを融合させています。精巧な仮面、無限に続く廊下や鳥居などの要素を通して神秘的かつ圧迫した雰囲気を醸し出し、プレイヤーに不安と孤独感を感じさせます。本作にもシリーズの象徴的な要素の「霧」を取り入れています。霧は視界を遮り、迷走感や孤立感を生み出し、恐怖をより一層掻き立てます。バケモノのデザインは、シリーズの伝統を踏襲し、キャラクターの潜在意識に潜む圧力、罪惡感やトラウマなどを具現化した存在として捉えます。Box 氏は『SILENT HILL f』の核となるコンセプトは「美しいがゆえに、おぞましい。」にあるが故、目指す恐怖感は、突如な驚かしではなく、美しさと危険の脆く不安定なバランスを保ちながら、プレイヤーの心の奥底に潜んだ、言葉にできない感情的な共鳴を呼び起こすような、病的な優雅さなのです。

NeoBards アートディレクター Box Shih
コンセプトアート担当の Ant Hsu 氏は、背景の構築にあたって「学校」をメインステージの一つとして選んだ、と開発過程を振り返りながら言いました。馴染みがあるも抑圧された記憶の場所が、最もプレイヤーの共鳴を引き起こすとのことです。当時の雰囲気を再現するために、複数の廃校をリファレンスとして選定し、当時の校舎の構造や配置の詳細などを調査した上で、ゲーム背景に取り入れました。壁のポスター、生徒の絵画や廊下の古びた集合記念写真などには、世界観や主人公が取り巻く人間関係の手掛かりが隠されています。プレイヤーが学校の細部を探索していくと、徐々に戎ヶ丘の秘密が明らかになってきます。

NeoBards コンセプトアーティスト Ant Hsu
キャラクターのアクションデザインは、ゲームプレイのキーポイントとなります。主人公の雛子は一般人だからその動きは素人らしいリアリティでなければなりません。このリアリティさが、プレイヤーに彼女の恐怖や葛藤をより一層感じさせることになります。アソシエイトデザインディレクターの Capra Shih 氏曰く、雛子は著名作家の竜騎士07先生がキャラクター設定を手掛けた役で、男の子と遊ぶのが好きだったり、陸上部に参加していたため身体能力に自信がありました。反射神経が素早い一方で、戦いでは不慣れで不器用な部分も多く表れます。こうした設定は雛子のアクション設計の核となっています。プレイヤーは雛子の細かい動きで彼女の緊張や不安を感じ取ることができ、更には彼女により切実に共感することでしょう。

NeoBards アソシエイトデザインディレクター Capra Shih
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『SILENT HILL f』のビハインドザシーン#3『Combat and Character Design』
本日、株式会社コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)は、『SILENT HILL f』のビハインドザシーン(開発秘話)#3『Combat and Character Design』を公開しました。本作は戦闘システム、謎解きのデザイン及びキャラクターの演出という三つの面で新しい風を吹き込み、より現実味を帯び且つ心理的な深みに富んだゲームプレイをもたらしました。制作チームは、主人公雛子のキャラクター設定を中心に、先進的なモーションキャプチャー技術により、彼女の心の世界及び濃密でグロテスクな雰囲気をプレイヤーになお一層感じさせることになります。
戦闘システム担当のゲームディレクターの Al 氏によると、今回『SILENT HILL f』は1960年代の昭和時代を背景に、主人公は普通の人間という前提に、斬新でリアリティに迫るバトル体験を作り上げました。

NeoBards ゲームディレクター Al Yang
アソシエイトデザインディレクターの Capra 氏によれば、雛子の戦闘スタイルは、「普通の人間でもできるバトルアクション」という方針に固めました。それにより見切り反撃や渾身の一撃、またピンチから逃れた際アドレナリンの急上昇による一時的な身体能力の強化などは、その基盤に沿っています。プレイヤーは戎ヶ丘の町で武器として使える様々な道具を見つけることができます。武器によって全く違う操作感やテンポをもたらすほか、お守りを装備することで能力の調整ができるなど、バトルに応じて多様な組み合わせができます。
クリーチャーデザインについて、担当チームはその振る舞いと存在意義の紐づけに重点を置き、ストーリーとの緊密な関連性を確保しました。特にボス戦は竜騎士07先生による物語の魅力を引き立てるように設定の上、kera 先生のデザインを通して「美しいがゆえに、おぞましい。」という独特なスタイルに仕上げました。「これらのバケモノにどんな秘密が秘められているかはプレイヤーの皆さまにお任せします」と、Capra 氏はユーモアを交えて言いました。

NeoBards アソシエイトデザインディレクター Capra Shih
謎解きはゲームの中でかなり重要なパートです。レベルデザインリーダーの Kaiyu 氏によると、謎解きも雛子の精神状態を主軸にしています。郊外を舞台にしたステージを例に言うと、「方向を見失う」というテーマから、心の迷いと進む道を見出すことに絡んだ謎解き体験を作り上げました。

右二 NeoBards レベルデザインリーダー Kaiyu Chang、右 プログラミングリーダー Rachel Wu
コンセプトアートリーダーの Ant によれば、プレイヤーを導く象徴的なキャラクターとして選んだのがアヤカカシで、 kera 先生のクリーチャーデザインに基づき、制服に象徴的な意味合いのある仮面を加え、侘しく薄気味悪い雰囲気を生み出します。ステージのビジュアルは季節の移り変わりに伴って変化し最終的に霧に包まれた不毛な空間となり、そこに立ち入ることで主人公が心の奥底に近づくことを示唆します。謎解きはストーリーの進行のためだけでなく、プレイヤーにキャラクターの感情や潜在意識に共感させ、シリーズ定番のサイコロジカルホラーの魅力を発揮できる、と Kaiyu は強調しています。

NeoBards コンセプトアートリーダー Ant Hsu
アートディレクターの Box 氏からモーションキャプチャーの作業について話していただきました。雛子は昭和時代に社会的・家庭的抑圧を受けてきた、繊細で内気な少女という設定を、今回加藤小夏さんに演じてもらいました。フォトスキャンとモーションキャプチャーにより、彼女の感情の機微をそのままゲーム内に反映することができました。

NeoBards アートディレクター Box Shih
プロデュースチームメンバーの Tiffany 氏によると、文化に沿った感情をリアルに伝えるように、撮影は日本で行い現地の役者に参加していただきました。ゲーム内の 90 分以上のカットシーンは、脚本から、ストーリーボード、編集作業まで、NeoBards にとって今までにない挑戦でした。カットシーン制作の工程では KONAMI、役者の方々及び映像制作会社と密に連携を図りました。

左から NeoBards カットシーンアーティスト Michael Lee、プロデューサー Tiffany Tsou
カットシーンデザインリーダーの Grey 氏の説明では、モーションキャプチャー撮影時点でゲームデザインはまだ調整中だったが、現場の担当チームは高度な柔軟性をもって臨機応変に対応しなければなりませんでした。役者は限られた情報の中でキャラクターの感情を演じ、監督が都度指導していました。竜騎士07 氏の緻密なシナリオを具体的な演出にするにあたり、その文章への深い理解及び度重ねる確認が必要だ、と Tiffany 氏は補足しています。更に、モーションキャプチャーの即時再生機能により、加藤さんは現場で映像を確認しながら他の演者との掛け合いを調整し、演出の品質を確保しました。

左から NeoBards プロデューサー Tiffany Tsou、カットシーンデザインリーダー Grey Hu
主人公雛子役を演じた加藤小夏さんから初めてのモーションキャプチャーについて感想を述べていただきました。撮影現場では組まれたセットなどがなく、想像で演出する形で新鮮で面白かったとのこと。彼女にとって最も挑戦的だったのは、セリフを一言一言間違いなく話さないといけないことでした。普段のお芝居ではやりやすいように言葉を変えることもあり、今回の台本通りの厳しさに苦戦したそうです。
加藤さんにとって印象に残ったのは、マルチエンディングを演じることでした。長らく雛子に向き合い、どの結末も胸が熱くなり、役者人生で貴重な体験となったようです。二人の雛子が同時に登場するシーンも最も苦しかったとのことで、演出の途中で感情の迷路に迷い込み、涙が出て撮影が一度中断するも⋯。更に初めてゲームの主人公として自分が画面に写ったのを見た時、撮影のことが思い出されて感動もあるが苦しい気持ちも蘇ったそうです。それでも、本作に携わることができて誇り高く胸が高鳴り、たとえいつか自分がこの世にいなくなっても、彼女の演技を体験するプレイヤーがいることが、非常に不思議で感激するとのことでした。

主人公雛子役を演じた加藤小夏

『SILENT HILL f』は PlayStation 5、XBOX X|S 、Steam 、Epic Games、Microsoft Store (Windows) 、GOG などのプラットフォームにて好評発売中
©Konami Digital Entertainment
会社紹介
NeoBards Entertainment (ネオバーズ)は、2017年に創立し、東西各国から集結した20年以上の業界経歴を持つ先駆者たちが築き上げたゲームメーカーです。本社をアジアの香港に置き、また、台北と蘇州に開発制作の拠点を設けております。当社がカプコン社と共同制作したタイトルには、『デッドライジング デラックス リマスター』、『ロックマンエグゼ™ アドバンスドコレクション』、『バイオハザード Re:バース』、『バイオハザード: レジスタンス』などがあります。コーエー公認でネクソンからリリースされたモバイルゲーム『真・三國無双 M』の開発以外に、スクウェア・エニックスの『Marvel’s Avengers』や『ファイナルファンタジー VII リバース』の開発・制作にも参加しました。現時点、いくつかのタイトルを開発中ですが、後続情報をお待ちください。
当社は、国際的なリソースの統合に長け、シリーズIPに限らずオリジナルタイトルも高品質でプレミアゲームを提供することを自負しています。当社のスタッフは、開発に全力を尽くし、創造プロセスの苦楽を共に噛みしめています。ネオバーズは、クリエイティブへの愛、ストーリーテリングへの情熱、そして努力と高品質へのこだわりが常に成功へ導くという確固たる信念の下に集まったチームです。


