《バイオハザード レジスタンス(Resident Evil Resistance)》のユニークなゲームプレイの魅力に惹かれてか、前回「Mirror Media」に続き、ネオバーズは今回、バハムート社からのインタビューを受けました。もともと本タイトルのファンが少なくない開発チームスタッフ達は、一体どうやって「バイオハザード」というビッグIPを真新しいプレイタイプで更なる高みに押し上げたのか?是非ご覧ください。
【バハムートGNN】正真正銘の「Made in Taiwan」!《バイオハザード レジスタンス》開発チーム「ネオバーズ」独占インタビュー
中国語原文リンク:https://gnn.gamer.com.tw/detail.php?sn=196682
4月3日にカプコンにより発売されたサバイバルホラーのリメイク版《バイオハザード RE:3》(PS4 / Xbox One / PC)に収録されている非対称対戦オンラインゲーム《バイオハザード レジスタンス》。本作は実はカプコンと台湾の会社ネオバーズ(NeoBards)との共同開発で生まれたタイトルであり、「Made in Taiwan」と言っても過言ではない。
発売後、バハムート(GNN)はネオバーズのCEO Jean-Marc MOREL氏、COO Wonder Lin氏、ディレクター AL氏、ゲームプロデューサー Albert氏とCVO Julien Proux氏へインタビューし、台湾発の開発チームとして《バイオハザード レジスタンス》 の開発秘話をお届け。
左からAL氏、Jean-Marc氏、Julien氏、Albert氏、Wonder氏
《バイオハザード レジスタンス》は《バイオハザード RE:3》に収録されているマルチプレイモード(元タイトル:プロジェクト レジスタンス)。シナリオも、ゲームシステムも全部本編から独立している作品。状況を操り“策略”を巡らす「マスターマインド」や、仲間との“協力”で血路を拓いていく「サバイバー」をプレイし、非対称の攻防戦を繰り広げる。
「マスターマインド」とは、この残酷な実験の首謀者であり、「サバイバー」とは実験施設から脱出しようとする拉致された被験者のことだ。マスターマインドはカメラを通して全体の状況を監視し、コントロールできる。トラップやクリーチャーなどを配置して、サバイバーの脱出を妨害する。一方、サバイバーは仲間と協力し合い、色々な仕掛けやクリーチャーに対処し、制限時間内に各エリアをクリアする。
ゲームプロデューサーAlbert氏はプロジェクトの制作やスケジュールなどの管理を担当
ディレクターAL氏は、 ゲーム全体の制作方向やアイデア、デザインなどを指揮する
GNN:まず、「ネオバーズ」とはどんな会社かについてお聞かせください。
Jean-Marc(CEO):ネオバーズは2017年に設立されました。会社としてまだ歴史は浅いものの、チームメンバーのほとんどは長年一緒に働いてきた仲間です。私自身の場合、みんなとの付き合いは10年以上あります。別の会社で20年~25年共にゲームを作ってきたメンバーもいます。まだ自社タイトルが発表されたことはありませんが、「バーズ(Bards、ネオバーズの社員に対する愛称)」は常にクオリティーの高いプロジェクトを求めており、グローバルな視点を持ち、AAAタイトルを目指しています。
台湾は地理的に日本と近い、ヨーロッパやアメリカとの交流も盛んにおこわなれるため、東西各国の文化に影響されていて、とてもいいところだと思います。そのため、ゲーム開発の発展に向いているとも言えるでしょう。
GNN:ネオバーズがカプコンと《バイオハザード レジスタンス》の共同開発に携わったきっかけをお教えください。。
Jean-Marc:ネオバーズは世界中色々な会社と関わることが多くて、良好な関係を築いています。社内に過去カプコンのプロジェクトを請け負ったことがあるメンバーがいます。いい成果をもたらしたので、カプコンさんの印象に残ることができました。その経験から、《バイオハザード》に関するマルチオンラインゲームを作ってほしいという依頼がカプコンから来ました。その時チームの皆がとても楽しみにしていました。
Wonder(COO):ネオバーズの設立は2017年です。ということは会社を立ち上げたばかりの時にこのプロジェクトの依頼を受けました。事実上、ネオバーズは新規会社になりますが、内部は昔からのチームにより構成されましたので、メンバー全員、それぞれ素敵な開発経験を持っています。そしてカプコンとの提携経験とその成果から、今回の依頼のきっかけとなります。
GNN:『バイオハザード レジスタンス』の開発で、ネオバーズがどの部分を担当していましたか?
Wonder:ネオバーズとカプコンとの関係は、「ディベロッパー」と「パブリッシャー」に相当しますね。《バイオハザード レジスタンス》のコンセプト、制作方向、ゲームプレイデザイン、ビジュアルデザイン、シナリオ、PV、サウンド、品管、やバージョン管理など、ゲームと関わる全ての制作はカプコンとコミュニケーションをとりつつ、ネオバーズが担当します。
《バイオハザード》というIP(知的財産)は全く新しいものではなく、20年以上わたってグローバルな有名IPであることは重々承知なので、このプロジェクトは簡単な依頼ではないことも最初から知っていました。ネオバーズとして、このブランドの生みの親であるカプコンとは密なコミュニケーションを取らないといけません。外部者として、IP創造者と違った角度でデザインを発想しました。そしてシリーズのファンを熟知しているカプコンの指導に、緊密な連携を加えて、両方が満足できるコラボレーションができました。
ネオバーズは2017年から《バイオハザード レジスタンス》の制作に取り掛かりました。台北スタジオと蘇州スタジオを合わせて、約120人規模で開発に注力しています。初期段階の企画提案や後期の制作には、それぞれ違ったチームが参加していました。例えばプロデューサーのAlbertが率いているマネジメントチームには5人ほどいます。ビジュアルデザインのチーフであるJulianも大人数のアートチームを率いて、マップとVFXなどの制作を行っております。そのほかには、ゲームをデザインするチーム、プログラマーチーム、サウンドチームやQAチームなどが関わっています。
台北スタジオ
蘇州スタジオ
GNN:開発において、台湾チームはどうやって日本にいるカプコンチームとコミュニケーションをとるのでしょうか?それぞれの役割はなんでしょうか?
Wonder:ネオバーズの特徴の一つは「多文化」であるので、日本のパブリッシャーとやり取りする時は日本語でする、その上、社内公用語の一つは英語であり、翻訳の時、いかに正しいニュアンスで伝わることは常に心にかけている会社です。いわゆる「言語」で考えや思いを表すことを大事にする会社でもあります。そのため、社内に英語や日本語の翻訳者が配置されており、開発チームにおいても、バイリンガルのメンバーもかなりいます。コミュニケーションの時に誤解がないようにできるのは一番ですね。
Albert(プロデューサー):今回カプコンと共同開発ができることに本当に幸いだと思っています。カプコンはゲームプレイを大事にして、ゲームプレイに注力している会社で、そこはネオバーズの信念ととても一致しています。両方は今回の開発で、頻繁に、そして緊密なコミュニケーションを取っております。よく一緒にゲームプレイについて話し合っていました。
開発初期、カプコンから一人のクリエイティブディレクターを台湾に派遣していただきました。駐在とも言えますでしょういか。その方はゲームの背景設定や、世界観、キャラクターの設定などについて色々一緒に話し合っていました。デベロッパーとして、カプコンは我々の発想に制限や否定的な意見を与えることなく、非常に開放的な、しがらみのない発揮の場を与えてくれました。しかもこちらからデザインを提出する度に、各段階で貴重なフィードバックをくださいます。そしてゲームが実際にプレイできる段階になった時、接続していただいてカプコンと対戦することもありました。
今回このゲームは、両チームの長所の集大成とも言えますね。《バイオハザード》の生みの親だけではなく、うちのチームにも《バイオハザード》のファンがいます。斬新なPVPゲームをデザインすることは決して簡単なことではありませんが、そのIPに対する愛ゆえに、皆はこのゲームを最高のゲームにしたい一心でベストを尽くしています。
GNN:先ほどお話しいただいた「両チームの長所の集大成」について、それぞれの長所はなんでしょうか?
Albert:さっきCEOのJean-Marcも言及しましたが、我々はマルチオンラインゲームに注力しております。過去の《バイオハザード》シリーズ作では、この分野においてはあまり注力されていないイメージなので、そこはカプコンから共同開発の話を持ち出していただいたきっかけとなると思います。一方、カプコンはゲームプレイのデザイン、雰囲気の作り方やIPの創作などにおいて非常に優れている会社なので、両方の長所を合わせて、必ずお客さんに応えられる作品にできると思います。
GNN:「非対称対戦」という遊び方をゲームプレイにした原因は何でしょうか?
AL(ディレクター):今回CAPCOMと合作することになって、みんな凄く嬉しがっています。CAPCOMと打ち合わせしている時も、子供のころに憧れのヒーローと話ししている心境で。
とてもわくわくしています。最初はCAPCOMから《バイオハザード》のPVPゲームがほしいというお話を頂きました。いろなアイデアを提案したら、最後頷かせたのが《レジスタンス》です。
そして「非対称対戦」をゲームプレイにした理由はどのゲームでも、ファンとIPを尊重することが一番大事です。《バイオハザード》は定着したゲームプレイと特徴な世界観があるゲームですので、概念を捻出している時にPVPだけでは足りない、新しい何かがほしい、しかも《バイオハザード》の要素を持つ何かが。《バイオハザード》シリーズを見ていると、初代、2、後の《コードベロニカ》。事件の裏には必ず黒幕がいて、または「アンブレラ」が後に糸を引いていました。
《バイオハザード》シリーズは人間同士が戦うのではなく、「ゾンビを倒すこと」がメインです。裏でゾンビを操るマスターマインド、敵クリーチャーを倒し、過酷な環境を生き抜くサバイバー。「人が集まってマスターマインドと対抗する」ことを表現したいです。
なぜマスターマインドは監視カメラでクリーチャーを操るのかは、過去の「固定カメラ」《バイオハザード》を懐かしむしつつ、ゲームプレイに融合し現代風にアレンジしてみました。サバイバーたちにマスターマインドを攻撃させるのではなく、マスターマインドは監視カメラを通して世界を作り上げて、それでサバイバーたちがそのお化け屋敷を攻略していくイメージです。
GNN:ゲームプレイは非対称対戦ですので、バランス調整する際に何か注意点がありますか?
AL:非対称対戦を成り立つための課題が多く、バランスを整えるのが簡単ではなありません。 どっちも自分が有利と思わせることと、ちゃんと面白いでないとだめです。しかし開発側で何を用意しても、どんな遊び方を想定しても、なかなか思い通りに行きませんね(笑)。いわゆる meta はプレイヤーが作り出したもので、それを観察し、 CB / OB を通して調整していきます。
例えば CB の初期、みんな「マスターマインド強くない?」と言ってましたが、しばらくすると「えっサバイバー強すぎるよ」という声もありました。模索するための時間が必要ですね。例を挙げるとどの格闘ゲームでも必ず遠距離キャラが存在している、ゲームが発売したら遠距離キャラが一番強いと評価されます。しかし一週間くらい経てば攻略法が分かり、その遠距離キャラは弱くなるのと同じです。
ゲームをデザインする時、「レゴデザイン法」と自分の中でそう名付けているやり方で設計しています。唯一解ではなく、たくさんの「レゴブロック」を用意して、プレイヤーそれを取って好きな形を作られます。どんな形でも構いません。
最後に遊び方は無限大ですが、「グーチョキパー」が必要です。どんなに強いキャラでもカウンターできるキャラを用意するということです。
GNN:《バイオハザード レジスタンス》のビジュアルデザインについて何かお聞かせください。
Julian(CVO):先ほど他の人が言っていたのように、ビジュアルデザイナーたちたちにとって、コミュニケーションは大事です。最初はCAPCOMのイメージを理解して、両方の認識をシンクロし、ゲームに対する「ヴィジョン」を一致化させます。色んな人からアイデアを出して、また色んな人から指摘を受けてどんどん良くしていく感じで製作をしてきました。私自身にとって珍しいやり方です。両チームが自由にアイデアを挙げられることが少ないですので、コミュニケーションを重ねて意見を交換し続けてこうやって面白い世界観を作り出しました。
最初にアートデザイナーたちにキーとなる背景コンセプトを描いてもらいます、それで表現したいスタイルを探します。キーコンセプトが完成したら皆に共有します。IP所有者であるCAPCOMは誰よりもファンが欲しいものが何かを理解しているので、 方向性がずれていない
かを確認してもらいます。
Julian氏はネオバーズの設立者の一人。社内ではビジュアルデザインに関する全ての制作に携わっている。《バイオハザード レジスタンス》でも、ビジュアルデザインチームをリードしていた。
AL:本タイトルは《バイオハザード》の派生作ですが、《バイオハザード》の世界を広がらせたいとも思っています!ステージをデザインしている時に、昔のラクーンシティのマップを研究していました。「紙切れるやラクーンシティのマップに載ってるけど、プレイヤーが見たことのない場所」を場所候補にしています。私たちがデザインしたステージはラクーンシティのどこかに配置できます。どれもラクーンシティの一部です。楽しいだけじゃなく、《バイオハザード》世界の深みをより増します。
Julian:今回は日本チームと合同して製作しています。チームメンバーにヨーロッパの人も台湾人もいます。ですのでビジュアル面において同じヴィジョンを持たないとなります。互いの言語をしっかり理解し、認識が一致しているかを確かめます。
GNN:それでは《バイオハザード レジスタンス》の開発中に、一歩先に《バイオハザード RE:3》の参考資料を頂きました?
Albert:確かに開発初期に《バイオハザード RE:3》のコンセプト設定をいくつか拝見しました。それでデザイン面に統一感を出しました。でも両プロジェクトは平行して同時進行しています。
AL:ステージを作成している時も参考資料を頂きました。どうしたら《バイオハザード》ならではのプレッシャーを作り出せるかのアドバイスも頂きました。
GNN:《バイオハザード レジスタンス》の開発中、何か印象に残る出来事は無かったか?
Albert:前にも少し触れましたが、開発の進捗が有る程度進んで、テストプレイができるぐらいになると、CAPCOM社のスタッフとオンラインリモート対戦のテストをします。本来はテストのはずが、段々と本気になって、真剣になりすぎて、どっちがうまいか競い合ったり、一番自信あるスタッフに挑戦状を出したりするほどマジで対戦しちゃいました(笑)。
もう一つは、去年の東京ゲームショウで《バイオハザード レジスタンス》はクローズドのハンズオンデモのユーザー体験を行って、デベロッパーとして貴重な経験を得られました。私たちとしては、ユーザーが何の予備知識や情報が無い状況で初めてプレイした時の反応とフィードバックをチェックしたかったのです。台湾からのユーザーやバハムートみたいな台湾メディアの方々も体験して頂いて、非常に感無量でした。
AL:自分が印象深かったのはオリジナルキャラクターの製作に関してです。《バイオハザード レジスタンス》で登場するマスターマインドはほとんど《バイオハザード》シリーズで出てきたことの有る上層部のキャラクターですが、「ダニエル」だけは今回初登場のオリジナルキャラクターで、彼に関するダイアログも私たちの方で練り起こしたので、ダニエルに対する世界中のユーザーの感想やリアクションを見て色々と楽しかったです。
特に、PTTやバハムートなどでユーザーの感想からは、「彼の会話とアチーブメントの翻訳は優れている」、「ローカライズは凄くハマってる。ネットユーザーに違いない」。ただ、中国語は後で翻訳されたのではなく、一番最初は中国語で書き下ろしたのです。
マスターマインド オリジナルキャラ 「ダニエル」
Albert:私たちの開発制作時の主な言語は中国語で、中国語版の中国語内容もこちらで推敲しました。一部台湾での専門用語を入れたりして、ユーザーの共感を誘いました。
AL:私たちはなるべくこのタイトルを現地になじんだ形で表現したい考えでした。もちろん、英語版、日本語版など、逐次見れば語彙に差がありますが、伝えたい意思と感覚はブレていないです。
Albert:中国語と英語は弊社で書き出して、日本語に翻訳します。訳した日本語は、日本側のスタッフにお願いして修正や添削を行いました。コンテキストを広げる作業はネオバーズが対処し、ヨーロッパなどその他の言語は各地の翻訳に任せました。その後各言語をもとにアフレコ、吹替作業を行いました。
Julian:私の中で印象深かったことは、初期からこのプロジェクトに関わったスタッフ達は皆戦々兢々で、常に肩に重荷が押しかかった状態でした。特に私個人は、パニック状態でした。ちょうど、そのタイミングでヨーロッパから台湾に引っ越してきたばかりで、ネオバーズの台湾スタッフとも初顔合わせで、同時のこのプロジェクトでは日本のCAPCOM社のスタッフ達との打ち合わせも自身初めての二か国語ミーティングを行っていました。
特にアイディア発想については、単一の言語でさえ難しいのに、二つ以上の国の言葉で意思疎通を図る場合、誤解が生みやすくなります。ただ、プロジェクト開発が進むに連れ、その心情は逆に助力となり、高い品質を生み出す事に繋がりました。弊社のCEOが言ったように、多様な文化の下、この会社は創設され、自由でオープンな企業環境が整い、多様化な特色に融合し、それがCAPCOM社との協力関係を上手くまとめて築き上げ、それぞれの多種多様の経験が、ビジョンを実現できるように導いたと思います。
Tiffany(プロデューサー):私はプロジェクトスタッフの一員で、日本語が堪能なので、主にCAPCOMとの連絡、コーディネートを担当しています。開発中で印象に残った特別な経験は、ゲーム内のいろんなアクションをモーションキャプチャーで捉えなければならないので、CAPCOMのスタジオでその作業を行うため、何度か日本に出張しました。アクターには役に専念してもらわなければならない、作業は海を跨いで行わなければ…どうやればより効率的になるか?最終的には台湾でオーディションを開き、男女それぞれ一人を選んで、日本にまで連れて出張に行きました。台湾からのアクター、アクトレスだけではなく、日本のアクターも含んで、スタッフスクロールでは4~5名のアクターを見つけることが出来るでしょう。その中で、サバイバー4名によるセットアクションなどは、事前の打ち合わせやコミュニケーション、役作りを横から見ていて、おもしろかったです。ある時、誰かが不注意で転んだのを見かけて、そのアクションに閃き、4人で研究したり一緒に真似て転んだりして、笑いが止まりませんでした。
Albert:それとゾンビについてですが、ゾンビのアクションは容易ではありません。誰もがまねできるほど簡単ではないのです。その中で、CAPCOM社内に専門でゾンビを演ずるアクタースタッフがおり、目の前でその演出を初めて見た瞬間、皆驚きました。
Tiffany:そのアクターがバク転、転び、仰向けに反った後起き上がる一連のアクションを難なくこなすのを見て、すごい体幹だと感服しました。どんなに難しいアクションのリクエストを出しても、彼は全力で再現してくれます。それらのアクションはゲーム内にキャプチャー後、ほとんど調整する必要はなく、完成度がものすごく高いです。
GNN:今回開発で使用されましたCAPCOM社製のゲームエンジン「RE Engine」について、ご感想は?
Albert:RE Engine は相当使いやすいエンジンです。未経験でもすぐに慣れます。特にグラフィックの表現が優れていて、《バイオハザード 7》、《バイオハザード RE:2》、《デビル メイ クライ 5》などのビッグタイトルでも使われてきました。実績は知っての通りです。ただ、公開して市販しているエンジンでは無いので、説明ドキュメントの面では不十分です。ただCAPCOMのテクニカルチームからは完ぺきなサポートをいただき、ほとんどの問題は難なく解決できました。そして、今回《バイオハザード レジスタンス》は、RE Engine を使った開発の中では初めて大量のマルチプレイヤーオンライン機能のニーズが有るプロジェクトで、オンライン機能に関するリクエストは開発中に私たちの方から提出し、テクニカルチームによって実装しました。このタイトルを先駆けに、今後もRE Engine を使って開発するネットゲームが次から次へと市場に出てくることを願っています。
GNN:すでに発売された今と、クローズド/オープンテスト時とでは、どの様な部分が変更、調整されましたか?
Albert:クローズドやオープンを問わず、この段階でのテストの目的は主に二つ、一つは正しく動くかどうか、もう一つはユーザーの反応と彼らからのフィードバック。二回にわたるテストでこれらに対するたくさんの情報が収集できたことについては、ユーザーの参加に大変感謝。彼らの反応などをもとに修正、調整が出来ました。主な修正はUIの調整がメインで、チュートリアルやガイド、ヒント提示、メッセージの明確性など、バランスもユーザーのフィードバックを根拠に修正しました。
AL:クローズドとオープンではいくつかバランス微調整を行いました。ただMeta(環境)はユーザーにいろんなモノを探し出したりする要素の設定なので、ユーザーからは初期にはマスターマインドが強すぎるとかという声が有りましたが、私たちから見ればまだユーザーに見つかってないモノが有る、まだ隈なく探し当てていないと思うので、まずはMeta を固定、要するに特にいじらず、それと同時にインターネットのコネクトの安定性を確認、例えば人数小、大それぞれの状態下でシステムの負荷の状態をチェックし全体の用意を整える。そして、私たちが当初考えてた遊び方、予想や「予期していた出来事」が実際起こったかどうかを確認。例えば、本来予想していたゲームプレイテンポは相当遅く予想していて、ゾンビの声を出したりして「お化け屋敷」的な恐怖感を醸し出そうかと考えていたのが、テストのユーザーの行動を見るとテンポが予想以上に早くなっていたので、その部分のバランスを調整しました。
GNN:今後のアップデート要素や方向性は?新キャラ、ステージ、ウェポンとかの追加は有りますか?
AL:この部分は言い過ぎるとCAPCOM社に怒られるので(笑)。現時点では、既にご存知の通り「ジル」がすでに4 月 17 日追加されました。個人的に《バイオハザード レジスタンス》の醍醐味は、これまでシングルプレイゲーム内でのキャラクターをどうやってうまく「非対称対戦」に持ち込むか、キャラクター本来の設定、個性を損なわずに…
その他の内容は随時オフィシャルホームぺ―ジの情報をご確認ください!
GNN:皆さんの愛用キャラクターは誰ですか?初心者へのイチオシのキャラクターは?
AL:自分はジャンル的に格ゲーが好きで、接近戦有利のキャラが好みになります。先頭に立って戦える「サミュエル」とかが好きですね。シナリオ的には「マーティン」が可愛くていいですね。マスターマインドでは、前にも触れたオリジナルキャラクター「ダニエル」が好きです。私たちの設定では、彼は「トラッシュトーカー」で、中国語のセリフだけじゃなく、各国語のセリフにも見どころが有ります。初心者への推薦キャラクターは、ヒーリングが出来、大事なアイテムにマーキングができる扱い易さから「ヴァレリー」です。もしもう一人をというなら、罠にはまっても、ゾンビに噛まれても死難い「タイローン」ですね。
Albert:自分は彼と対照的で、遠距離攻撃の武器が好みなので、射撃のプロ「ベッカ」をよく使います。銃弾無限はなかなか頼りになります。それに一番のポイントは美人だから(笑)。
Jean-Marc:私もベッカをよく使ってます。理由は、言えません。(他のみんなが一斉に:奥さんがその場にいるから言えないんだ!)
Julian:全部私の子供みたいな存在なので、全部好きです。キャラクターすべてが私の実験体なのだ!(笑)。
開発スタッフから根強い人気のある「ベッカ」
GNN:最後に、台湾のユーザー達に一言。
Albert:CEOの Jean-Marc が言う通り、うちのチームは国際色豊かなチームです。トリプルA級の品質を目指して、ゲーム開発に専念しています。今回はCAPCOM社と《バイオハザード》という有名なIPで協力でき、それをハイクォリティで完成させました。世界のユーザーのプレイ感想や反応が待ち遠しいです。同時に、私たちは台湾に拠点を置いたゲーム会社なので、ユーザー達にも台湾開発チーム発の特徴と意気込みを感じて、台湾のユーザー達にも私たちの努力を感じてもらえると嬉しいです。
AL:自分はABC(中華系アメリカ人)で、数年前に台湾に戻ったばかり。アメリカで育ったけど、個人的に台湾は好き。台湾にはたくさんのオリジナルアイデアやゲームプレイの発想が有り、それも世界的に受け入れられるアイデアです。アメリカのユーザーはほとんど欧米のゲームにしか顔を向けないのに対し、台湾のゲームユーザーは欧米、日本となんでもプレイし、ゲーム市場への理解は幅広いです。それゆえに、台湾のゲーム従業者はいろんな面白い発想を持ち、台湾の開発チームは豊富な可能性を持っています。今回《バイオハザード レジスタンス》の開発に携わり、《バイオハザード》は日本の国家級のIPで知名度が既にありますが、私たち開発スタッフもセリフやアチーブメント等を通して「台湾チーム、ワンチーム」の存在感を皆さんに示せれば光栄です。
Wonder:台湾のチームだけではなく、蘇州のチームも含めて、私たちは確かに多様多種のカルチャーの組合せです。ハイクォリティの内容は地域など問わず、世界中どこのユーザーでも受け入れてもらえるので、特別な背景や立場ではなく、おもしろさが世界に通用すると考えています。これまでの印象は、台湾にはコンソールゲーム開発はあまりないと思われていたでしょうが、現実はそういう機会が無かったのです。そういう機会さえあれば、世界の皆さんに見てもらえる、認めてもらえると信じています。より多くの台湾ゲームデベロッパーがより大きな舞台に挑戦できるよう願っています。同時により優秀な人材が弊社に加入することも(笑)。
ネオバーズについて
ネオバーズ(NeoBards Entertainment) は2017年に、世界各国から業界屈指の経験者らが集って台北で創設したゲームメーカーです。中には業界歴20年以上もの経験者もおり、台北と蘇州の二つの拠点をもって、台湾や中国、日本、欧米の世界各地から優秀な人材を寄せ集め、素晴らしい作品を提供していきます。現在の優秀なスタッフらは、これまでSIE、Activision Bllizard、スクウェア・エニックス、カプコン、EA、ユービーソフト、ワーナーブラザーズなど無数のトリプルA級タイトルの開発制作を手掛けてきました。
ネオバーズは世界的に業界内での関係が緊密で、国際的な連結、協力によるプロジェクトに強く、著名IPのタイトルや新作物まで、ゲーム人の情熱とプロ意識で挑み、競争市場の中で新しく学び成長し、世界の舞台へ向かって羽ばたきます。
昨今ネオバーズが携わったタイトルは、4/3にカプコン社から発売された「バイオハザード RE:3」に収録されている「バイオハザード レジスタンス」です。その他、これまでリリースされてきた開発タイトルは「デビルメイクライ HD コレクション」、「鬼武者Warlords」のPS4、XboxOne、任天堂SwitchとPC版、任天堂Switch「バイオハザード 0 HDリマスター」、「バイオハザード HDリマスター」になります。
ネオバーズに集まったみんなは、情熱によって集まったと信じてます。モノづくりに対する情熱、物事を語り続ける情熱、とことん努力して高い品質を生み出す情熱によって成功に導かれることを信じてます!